2018年6月12日火曜日

琵琶湖縦断、中止。残念なような

ほっとしたような。


2018年の大きな目標の一つが、”琵琶湖縦断”だった。琵琶湖の北端から南端までの約65kmを一日で漕ぎきるという挑戦。

シーカヤックの漕行速度が約7km/h、小休止を入れて平均約6.3km/h。途中30分の休憩を2回入れれば、およそ12時間の行程でいけるはず。六甲山全山縦走の標準タイムが14〜15時間と言われているので、運動量としてはだいたいそんなもんだろうという感じ。

スタートはJR永原駅前

ただ、陸を行く山行と、水上ではリスクが全く異なる。陸上なら、どうしようもなくなってへたり込んでも、安全はおおよそ確保できている。水上で漕げなくなると、即遭難。途中リタイヤができないのだ。琵琶湖のど真ん中でトラブルがあっても、何が何でも自力で岸に辿りつかなければいけない。

(もちろん、警察・消防に救助依頼をしてもいいのだけども。それを除けば)

岸に近すぎ。水深が浅ければ速度も落ちる。


岸沿いを行けば安全かもしれないが、距離が大幅に伸びてしまう。最短距離を行くためには、できるだけ真ん中を通りたい。琵琶湖といえども、所詮湖、遭難しても何処かに辿りつくのでは?とも思えるが、琵琶湖には強敵がいる。風だ。

風がなければこんな感じ。
ギリギリ水平線がわかるが、もう少しぼやけると空と水面の
境界もわからなくなる。

湖西比良山地から琵琶湖に叩きつける“ 比良おろし”だ。過去にはJRを脱線させたこともある局地風。これが吹き始めると湖面は大荒れ。とても漕げたものではない。実はカヌーをする上で最も怖いのは(僕が怖いと思っているのは)流れでも波でもなく、風。どうにもこうにも身動きが取れなくなる。(風に慣れている人なら、また違うかもしれないが)

自分で認めなければならないと思っているが、”リバー”をメインにしてきた僕にとっては、まだ”天候”は苦手なのだ。川では天候を気にすることはほとんどない。する必要がほとんどない。海で遊ぶときも”天候”が良いときに遊ぶのであって、天気が下り坂だとか急変しそうだとか、そういう条件は避けてきた。

普段なら、こういう"寄り道"こそが楽しい。白髭神社。

そうなると、今回の最大の敵は”天候”。そして、戦う前から、不戦敗を決めた。つまり、最大の方針は『天候とは戦わず、あっさりとリタイアすること』とした。それでも、実際その場面になれば「もう少しいけるかも..」などと考えてしまうのだ。「絶対にすぐにリタイアしよう」と心に決めて、ベストコンディションを祈るのみ。

鏡のような水面。これが一番漕ぎやすい

Facebook で一緒に挑戦してくれる人を探した。連絡をもらっても断った人もいる。漕ぐ力があるかどうかももちろんなのだが、それに加えて”リタイアの判断ができる”かどうかも考えた。「しんぺいくん、残念やけど、諦めよう」とリタイアに必要な体力が残った状態で言ってくれる人。

贅沢で、偉そうなことを言ってるかもしれない。やっぱり、そんな奇特な人もおらんよな、と諦めていたら、変人が数名名乗りをあげてくれた。僕を含めて5名のパーティとなった。その中の一人、Hさんは過去に縦断を成功させていて、とても心強い。その時はタンデムだったので今回はソロでのチャレンジ。連絡をとりあって、前半半分35kmのリハーサルも成功。個人的には、35kmの時点で2/3ほど力が余っている感じ。後半のほうが辛くなることを考えても、この調子ならいける!と思えた。

一週間前になると、天気予報ばかりが気になる。ただ、予報ではどんどん悪くなるばかり。終いには台風も参上.. 早々、二日前には中止を決定した。

前半35kmの行程。5時間45分でした。

だた、今回は、チームとしての準備不足は否めなかった。それに加え、僕自身の準備もできていたか..万端だったとは言えない気がする。そんな状況で事故でもあれば、最悪の事態も起こり得る。そう思うと中止でホッとしているのも本当なのだ。

一番の成果は、こんな馬鹿な挑戦を一緒にやってくれる仲間を見つけたことだ。なんでこんな挑戦したいのかわからんのだけども、自分の限界を突破した証拠を掴みたいのだ。その思いを共有できる仲間ってのは本当、大事なのだ。



“比良おろし”の発生は6,7,8月が如実に少なく、9月以降激増する。とは言え、8月の無風状態で12時間とか、死ねる。日照時間や気温、比良おろしを考えると、今年中の再挑戦は難しい。来年の挑戦にむけて、準備をしていきたい。とりあえず今年中に後半半分の35kmを完了させたい。

I&I Paddles

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