2019年6月12日水曜日

琵琶湖、南半分 - 2019/06/09

琵琶湖縦断チャレンジ、今年も断念。琵琶湖の南北端を結ぶ約65kmを1日で漕ぎ切るという挑戦。昨年は北端から近江舞子までの約35km。今年は、近江舞子より少し北側・白髭浜から漕ぎ出した。


今年の相方はAさん。お互いのコンディションやらスケジュールやら、そして何より午後から風が強くなるという予報で、縦断は断念。昨年は漕がなかった後半を漕ぐことになった。
白髭浜 6:50スタート

白髭神社の鳥居を潜る 6:55


後半のみになったが、"縦断ペース"を崩さぬよう漕ぐ。時速約7kmを維持。時折やってくる追い波ポイントでサーフィンしながら南へ進む。

近江舞子沖から南を眺める。琵琶湖大橋がほんの少し見えるはずだが、写真ではよくわからない。

近江舞子沖あたりでは、いい感じに凪に入った。水面がヌメヌメしてる。こんな時はカヤックが滑るように進む。水面のさざ波が消え、遠近感がぼやける。水面の反射光が後ろにまっすぐ進んでいく。こんな時は本当に飛ぶように感じる。目の錯覚だとわかっていても気持ちい。


琵琶湖大橋。ここを抜けると、途端に動力船が増えた。釣りのボート、プレジャーボート、ウェイクボード、等々。波も四方八方からやってくるようになる。動力船は、正直言って怖い。向こうからこっちが見えているのかどうかわからないのだ。この先は意識的に2艇並んで漕ぐようにした。正面から来る船に見つけてもらいやすいように。


このあたりで悩まされたのが、虫。小さな羽虫。湖上だというのに小さな虫が顔に当たる。メガネにつく。口に入る。いったい、奴らはどこから来たのかね??風に流され岸からやってきたにしては多すぎる。水面で発生しとるのかね??なんでこのエリアだけ??とにかくあの虫にはまいった。


近江大橋も見えてきた。少し寄り道、矢橋帰帆(やばせきはん)島の東の水路を通り、湖はだんだんと川へと姿を変える。ゴールの瀬田の唐橋も目前。いい追い風に流されながらゴール。6時間ちょうど。


昨年と合わせて、やっと琵琶湖の上から下まで漕ぎ切った。でもやっぱり縦断したいなー。天候・コンディション・予定を考えたら、次の挑戦は来年の5月末〜6月頭。一緒にやってくれる仲間、いつでも募集してまっせ〜!

Aさん、おつかれさまでした!

2019年6月11日火曜日

ロープレスキュー練習会 - 2019/06/08

白激ミーティング【ロープレスキュー練習会】を行いました。備忘録・確認として、この記事にまとめます。参加された方の復習に、参加できなかった方の参考に役立ててください。間違いがあればぜひご指摘ください。

1. Zドラグシステム

Zドラグシステム(倍力とかメカニカルアドバンテージとか言ったりもする)を練習しました。ピンニングやブローチングで、カヤックが回収できない場合に使います。想定される場面としては、要救護者の確保は完了していてカヤックの回収ができていない時、普通に押したり引いたりがんばったけど動かない時。システムを組む時間がかかり面倒臭いので、緊急の場合には使わないということです。コツとしては、引っこ抜こうとするのではなく、カヤックを押し付けている水の流れを逃すような方向に引っ張る。どこをどう引くかをよく考えましょう。


ですが、僕自身実際に使用する状況に陥ったことはありません。使用例も"聞いたことがある"レベルです。ラフティングではしばしば使うらしいですが。それでも、万一があるようなクリークにいく場合には知っておくべき技術です。

使用したモノ

  • スタティックロープ25m(メインロープとして)
  • プーリー x 2
  • カラビナ x 3
  • プルージック x 2
  • スリング x 1(アンカーテープとして)
使用した結び方
  • エイトノット(フィギュアエイト、8の字、エイト)
  • プルージック
必要人員(兼任しない場合)
  • 引っ張る役 1人以上
  • ブレーキ役 1人
  • 号令役 1人


Zドラグの図

プルージックをやってみる

2. 装備チェック

  • PDF - しっかりしまっているか、バックル・ジッパー閉め忘れはないか
  • ホイッスル
  • ナイフ - ロープが体などに絡まった場合など、ロープを切るためのもの
  • ナイフのサヤのストッパーになるバックル
  • カウテールとそのカラビナをつける場所
  • クイックリリースとその使い方
  • カラビナ(必ずロック付き)
  • スリング、など
3. スローロープ・スローバッグの基本
  • ロープはフローティングロープ
  • 約15m〜18m
  • ロープやバッグに手首が入る大きさのループは作らない(絡まるため)
  • 収納する場合はちまちまと詰め込んでいく。決して畳まない。
4. スローバッグ投げ練習
  1. バッグ(乾いた状態)でキャッチボール(アンダースロー・オーバースロー)
  2. バッグを濡らしてキャッチボール(アンダースロー・オーバースロー)
    * 濡れるとかなり重く、オーバースローでは肩や肘を痛めてしまうかも
    * 12〜15m 離れた相手に確実に当てることができる、が目標
  3. ロープを出して、水上に投げる。収納して投げる、を数回
    * 陸上でやると無駄にロープを傷めるので
    * 足場の確認
    * ロープの余りは1尋以上
    * 投げないほうの手でロープを確保(絡めない)、投げてshないよう注意
    * 「ロープ!」のかけ声
  4. 収納せず、束ねた状態で投げる
    * バッグに収納している時間がない場合の投げ方
    * 絡まないよう、同じ方向から束ねる
    *(僕の場合は)小指にロープの端をひっかけ、三本指の奥から先の方へ順番に束ねる
    * 絡まないよう投げるのは練習が必要
「狙った通りに投げるのはかなり難しい」「自分に合った投げ方(アンダーかオーバーか)」「自分のロープの長さはどの程度か」を確認

スローバッグでキャッチボール


5. シミュレーション1(泳いでいるヴィクティムをロープレスキュー)
  • 見張り役(最上流)
  • ヴィクティム役(カレントに乗ってホワイトウォーターフローティングポジション)
  • ロープ1(上流側)
  • ロープ2(下流側・バックアップ)
  • カヤックレスキュー班(最下流でバックアップ)

「当てるつもりで投げなければヴィクティムの手に届かない」「テンションがかかるとめちゃ重い(足場の確認の重要性)」「ヴィクティムはロープを担いで、できればバタ足」を確認
ロープは空高く.. あるある

すかさず第2投、第3投

ナイスボール!ロープを掴むとヴィクティムは流れを受けて少し沈みます。かなりの重さ。

6. シミュレーション2(沈脱したヴィクティムをロープレスキュー、カヤック・パドルはカヤックがカウテールを用いて回収)

  • 見張り役(最上流)
  • ヴィクティム役(カレント内で沈脱)
  • ロープ1(上流側)
  • ロープ2(下流側・バックアップ)
  • カヤックレスキュー1(カヤック・パドルの回収)
  • カヤックレスキュー2(パドルの回収と最下流でのバックアップ)

「脱艇後のタイミングでヴィクティムと意思確認しなければいけない」「カウテールを素早く使う」



7. シミュレーション3(沈脱後、艇とパドルを抱えてスイム)

  • 見張り役(最上流)
  • ヴィクティム役(カレント内で沈脱)
  • カヤックレスキュー(最下流でバックアップ)
目標エディを決めて泳ぐ。瀬の後、必ず瀞場があるわけではない。ノン気に助けられるのを待つのではなく、泳ぎながらも適したエディを見つけ、泳ぎ切らなければいけない場合もある(というかそれが基本)。



ちなみにラフティングガイドのトレーニングでも流水スイムはしっかりやります。ストリームを横切るとかエディキャッチするとか。

8. 片付け * 練習会では言ってませんでした

使用したら真水ですすぎ洗いをしてください。砂を噛んでいたらロープの寿命も短くなるし、強度が下がります。また、亀裂がないかほつれていないかも確認してください。



【おわりに・注意してほしいこと】
基本となる技術をおさらいしました。状況に応じて必要なことは変わってきますが、"原則"があります。一緒に漕ぐ仲間とその原則を共有できていれば、もしもの場合に速やかに行動に移ることができるでしょう。が、それもたまにおさらいしとかんと、忘れるもんです。ぜひ皆さん、自分の仲間・チームで確認しあう時間を作ってみてください。

今回の内容は超初歩です。マニュアルでもありません。そもそも"これが正解"なんて言えるものもありません。正解に近づけるための努力や議論はできるけど。その議論や練習のたたき台にしてもらえるとうれしいです。

また来年も練習会を開催したいと思います。5月30日(土)か6月6日(土)です。来年は3月にCPRとファーストエイドキットについての会(漕ぎも泳ぎも無し)もやりたいと考えています。やってみたいことのリクエストがあればぜひ教えてください。

ではでは、安全なパドリングライフを!ご参加のみなさま、お疲れさまでした〜