2017年12月17日日曜日

ナラヨシ・スーパーロング 2017 完漕! - 2017/12/17

ナラヨシ・スーパーロング ~ 吉野山麓から高野山麓 2017 無事やり遂げました!

まだ話す元気があるスタートポイント

今回で3回目。「またやんのか、あのバカは」と年末の風物詩として、だんだん認知され始めたようで、人数倍増!奇特な連中総勢10名で、冬の川を漕いできました。

まだ話ながら漕げてるスタート直後
今年は過去最悪のコンディション、寒かった!風強かった!浅かった!

昨年なら、漕いでる間にじんわり暑くなってたものが、一向に温かくならない。瀞場で手を休めようものなら、上流に戻される。浅瀬でスタックする..


陸サポとして、ムッシュ、シェフ、エバグリヒロさん。心強いし本当に助かりました。ありがとうございました!

風を避け、車の間で身を寄せ合う参加者たち

-------------------
まだ薄暗い6時半。僕は集合時刻ギリギリに集合したい派なんだが、ほとんどの参加者は早めに集合してくれる。おかげで、僕は到着直後から慌ただしくなってしまうので、ちょっと早めに現地へ向かう。

集合前の車内女子会
集合後は、速やかに着替え、ボートの積み替え、移動、だ。スタートポイントへの移動だけも40分かかる。スタートポイントで装備最終チェック。陸上班に別れを告げ、スタート。午前8時55分。

吉野高校前。風が強い..

前半は、浅瀬や細い水路をいかにスムーズに漕ぎ抜けるかが勝負。水位が低く、通れるルートが限られている。10月の台風の影響もあると思う、岩の位置や河原の形も変わって見える。


下市の頭首工。吉野川の水はここから奈良盆地に送られる
下市まで下ってくると、川の傾斜が大きくなってくる。いわゆる"ナラヨシ"区間に入る。頭首工をポーテージ。さくっと栄養補給をすませて、流速の増すこの区間をやっつけたい。



いつもなら瀬や流れを使って遊ぶこの区間も、今回は素通り。このエリアをどれだけスムーズに漕げるのかという課題が、スーパーロングを通して理解できる。

最も遠くまで水が流れているラインを探すこと。そこに正確にボートを進ませることが大事。

岩を避けるためにバックパドルを入れる。アウト!岩にあたって返ってくる流れがあるはず。その弾力を使ってボートを流しましょう。

バックウォッシュに突っ込み水飛沫をあげる。アウト!バックウォッシュで艇の速度が落ちるし、方向もブレる。ブレたら、その修正のためのストロークが必要になって、その間ボートは進みません。それに今回のようなコンディションでは、濡れると寒い..

瀬の終盤、エディとカレントの境界が混ざりあってるところで、エディに取られてしまう。アウト!艇のしっかり下流にむけて速度をキープ、グリーンウォーターを掴みましょう。

30km 漕げば、否応無しにそんなポイントが見えてきます。

栄山寺でトイレ休憩。
五條・大川橋より下流は、さらに川の様相が変わる。ところどころ瀬もあるが、ほぼ瀞場。手漕ぎにならずに全身でカヤックを進ませられるか?手漕ぎで漕ぐのは、ストローク毎にその分ボートを引っ張っている感じ。ストロークを止めた瞬間ボートも止まる。次のストロークは、止まったボートを動かすのでまたしんどい。全身が動けば、その分慣性が働いて、ストローク終わりにボートが止まらない。次のストロークはその速度を維持するだけでOK。



自然とそういう事に留意するようにもなるんだけども、それよりも、何よりも、このあたりまで来ると、嗚呼、文句を言わずにやり切らんとあかんねんなぁ.. という気持ちになってくる。途中リタイヤする良い言い訳ないかなぁなんて考えていたのが、これもうやらなあかんねやなぁという感じ。



陽が傾いてきたな、という 頃、ゴールの橋が見えてきた。ただ"あの橋がゴールじゃなかったらどうしよう"という恐怖心が残る。


さらに近づき、ゴールを確信。最後の力を振り絞って漕ごうとするも、浅すぎでライニング。やられた...。最後は歩いて6時間50分。無事完漕!


陸サポメンバーに迎えてもらって、あったかいチョコドリンクとおぜんざいで生き返りました。





参加者も増え、陸上班の皆さんのおかげで、ずいぶんイベントらしくなりました。本当にありがとうございます。

こんなリバーカヤックの楽しみ方もありだと思います。六甲山全山縦走とか金剛山のダイヤモンドトレイルとかも、そんな感じよね。ヘロヘロになって、全部やりきったと言える気持ち。年一回か、数年に一回でいいから、また一緒に漕ぎましょうね。

また来年もやりまっせ!挑戦者、待ってまっせ〜!



以上をもちまして、I & I Paddles、2017年のツアー・イベント、全て終了。今年はほんまいろいろあった気がする..。I & I として成長もできた気がするけど、それよりもいろんな人に助けてもらった。本当にありがとうございました。


良いお年を!

2017年12月11日月曜日

"ハネタク&辰野勇"対談をみて、モテたいと思ったということ

羽根田卓也&辰野勇 特別対談【自然と生きる。水とみどりの楽しみ方】入場無料!



行ってみました。梅田、グランフロントとスカイビルの間の、薄暗いトンネルの地上部分の再開発エリアうち、まだ用途がちゃんと決まって無さそうなエリアの、「とりあえずなんかやっとけ」という感じのイベント広場。


ナオコさんの Facebook で知っただけだったんだが、あまり宣伝してなかったのかね?他の人からの情報は何も得られぬまま...。(ちなみに、自分の周りに、ナオコとナオがむっちゃたくさんいる)

対談の内容はほとんど想定内で、ある程度ビッグネームの人たちが、あまり打ち合わせすることもなく、当たり障りの無い"良い話"をして、司会が適当にいい感じにまとめる、という もの。だろうな、と思っていたら、本当にそうだった。

そんでもって、お客のほとんどはハネタク目当ての女子なもんだから、話の内容なんて、ほんとにどうでもいいのだ。対談が終わったタイミングでの握手のチャンスと写真のチャンスが一番大事。女子の目線がキラキラしているのだ。(ナオコさんも、ばっちりハネタクとセルフィーしてた)

対談後、握手をしようと群がる女子と、
笑顔で応えるイケメン

もう、この時点で既に、羨ましくて仕方ないのだが、実際ハネタク見てみたら、精悍で爽やかで優しそうでイケメンで、こっちは髭メガネを選択している段階で勝ち目が無い。仕方がないのでちゃんと話を聞いてみることにする。

一方の辰野勇氏は、株式会社モンベル創始者にして会長、アウトドア業界においては知らぬ者などいない著名人である。有名人ながら、どんな話をする人なのか全く知らなかったので、これもいい機会。

対談の中で、僕が個人的に大事だなと思った、2点。

【競技カヌーとレジャーカヌーの連続性】

羽根田卓也『練習は人工コースばっかりだけど、こないだ久しぶりに大自然の中で漕ぐ機会があって、カヌーって本来こういうものだよなーと思いました笑』 
辰野勇『競技カヌーのカヌー協会は各都道府県にあるが、レジャーカヌー普及が進んでない。じゃぁ自分が作ろうと48番目の組織を作った』 
(僕の記憶の中から抜粋)

競技者は漕ぐ技術 力は素晴らしいが、自然のフィールドでの遊び方を知らない・レスキュー技術を知らなすぎる。レジャーカヌー愛好者は遊び方は多様だが、漕ぎ方そのものを知らなすぎる。かねてより、大事だと思っているポイントなのです。

特にカヌースプリント選手。高校大学と練習しまくって、むちゃくちゃ漕げるはずだが、引退と同時にカヌーをやめてしまう。他にもフィールドがいっぱいあるのに。ファルトで川下り・湖のんびり愛好者。"ヘタウマが楽しい"でとどまってしまう。少し上手くなれば、もっと安全に、もっと速くもっと遠くへいけるようになる。フィールドがどんどん広がる。

白激カヤック・スラローム・フリースタイルはかなり連続性があるし、人的交流も盛んだが、それ以外との交流は少ないと感じています。

僕自身、まだまだやけど。I&I Paddles 、実はそんなこと考えながらイベント企画してたり、ワイルド競技も参加しています。

競技カヌーの代表羽根田卓也氏と、レジャーアウトドアの代表(?)の辰野勇氏から、こういう話が聞けたのは励まされるような気持ち。

質問タイム。すかさず挙手。もう少し話を引っ張り出したいと思って質問してみました。


【辰野勇氏、自己顕示強し!】

もう一点は、辰野さんの自分アピールの強さが印象的。自分の業績・功績、実力のアピール。いわゆる経営者イメージの脂っこいイヤらしい感じはなかったけど、自分が何をしてきて何をしているかの話が随所に出てくる。

良いか悪いかはともかくとして、経営者として一代で大企業にした人ってのは、こういうものなんやろうな、と思う。嫌われることもあるだろうが、それも実力のバロメーターだな、と。

ただ一言物申すと、JRCAのこと言うなら、もっとちゃんとやってくださいよ。ちなみに国内にはレジャーカヌー普及系の団体が二つある。JRCAとJASCA。I&I Paddles はどちらにも加盟していない笑 近い将来、両方に加盟したいとも思ってるが、弱小アウトフィッターには、少し気・荷が重い。2団体が合併してくれたら迷わず加盟するねんけどなー。

むっちゃ私的な話だけども、僕は、自己顕示欲、弱い方では決して無い。むしろ強いかも。でも、抑えなければいけない表出させてはいけないと思ってたら、この10年ほどで自己顕示の方法が歪になってきた気がする。もっと素直なカタチで自己アピールしていきたい。

リング外からマイクを要求。
プロレス会場かと見紛うばかりの
マイクパフォーマンスを展開

まぁ、何はともあれ、数十人の女子を引き連れ歩くハネタクの姿には、羨ましい!!と思ったのだ。俺もモテたい!と。

悔しいので、おっちゃん読者を羨ましがらせるためだけに、この夏、最も鼻の下が伸びてる瞬間の写真をアップする。嫁には秘密だ。

満載の女子大生を拉致した図


2017年12月8日金曜日

奈良吉野川大滝ダム下区間

またまたコウノさんに誘っていただき、奈良県吉野川の大滝ダム下区間を漕いできた。

核心部。『垣ノ瀬』かな?

実は最近『ダムと民の五十年抗争〜紀ノ川源流村取材記』(浅野詠子著)という本を読んだばかり。紀ノ川上流部、すなわち奈良県吉野川で数十年もモメたダムと言えば、もちろん大滝ダムだ。


本の中では、ダム行政批判もさることながら、川や山との関係が変化していく住民の、葛藤の歴史が語られている。川と人の生活がどう繋がるのか、なんて考えさせられた。この話はまた機会を改めるとして、とにかく大滝ダムとの対峙だ。

大滝ダム直下のエグい瀬 "大滝"

スカウティングというか物見遊山というか
大滝ダムは、関西白激パドラーなら誰もがよく知っている。北山村への国道169号線、川上村へ入ってすぐ、左へ曲がるヘアピンカーブでスピードを緩める。前を見ないといけないが、眼の下にちらりと映るエグい瀬が気になる。気になるけれど、よく見えないし、あんなエグいの自分が漕ぐ機会はないんだろうな、と思いながら前方に目を戻すと、そこに現れるコンクリートの壁。それが大滝ダムだ。

カヌレンジャイ!

実際に漕いだのは、エグい瀬"大滝"の下流から。めちゃくちゃ渇水で、大滝の普段は見えないような岩まで見える。今回は水が少なすぎて漕げないので、訪れるかどうかわからない機会のためにスカウティング。




大滝周辺は、巨大なポットホールが岩盤を切り刻んだような、エグいゴルジュの様相。この景観だけでも価値がある。


大滝のすぐ下流で、川は大きく右に屈曲する。右岸には、これも白激漕者にはお馴染みの磨崖碑がある。土倉庄三郎を称える碑なのだが、彼がどんな人物かをここで書けるほどに詳しくはない。この記事が読みやすいかも。

Huffpost 『土倉庄三郎没後100年/「林業は国の 本」と唱えた山林王の事績』http://www.huffingtonpost.jp/shinrinbunka/industry-of-wood-tuchikura_b_17390362.html

高さ約30mの磨崖碑は、169号から見てもかなりの存在感だが、水面からはさらに巨大にそびえて見える。


いくつかの瀞場と、岩だらけのパチンコセクション、


落差のある瀬を抜け、
落ち葉が宙を舞う。写真ではわからへんなあ

核心部へ。


まずは入念にスカウティング。そして先陣を切らせてもらうことになった。緊張する。なんてたって怖いのだ。一番手はその緊張がさらに増す。


だからこそ、漕げたときの興奮は言葉にならない。ただ叫び声になる。

コウノさんが続く。


核心部では、交代でバックアップ体制をとる。自分が漕ぐ時にはレスキューのために待機してもらい、自分が漕いだら交代する。



漕ぐか漕がないかは自分の選択。漕がなければボートを担いで歩けばいい。周りが励ましたり囃し立てたりすることはあっても、漕がない選択をすることも大切な判断だ。

瀬の下流を見ると、見事なキャニオン。北山川の渓谷を凝縮したような雰囲気。



核心部からゴールまではあっという間だった。核心部の興奮が冷めないまま、どうだったああだった。次はどうだこうだ。やっぱりこの興奮感は、他の何にも変えられない。


ゴールポイントの少し下流で、支流の高見川が合流する。山間部を縫うように蛇行し、吉野神宮の麓で視界が大きく広がる。ここから【ナラヨシ・スーパーロング】が始まる。





今年は12月17日。参加者、挑戦者、お待ちしてますよ

2017年12月6日水曜日

初めて漕ぐところのこと

ツアーがないときは、 新しいツアーコースの開拓に出かける。一般によく知られたコースだが、僕が知らないパターンもあるし、そもそもあまり知られていないパターンもある。

カナディアンカヌー。でかいな、これ。
琵琶湖湖東の沼や水路をチェックして、水郷で有名な近江八幡に向かう。 今回、かなりぐるぐる回ったおかげで、だいぶ全貌が掴めてきた。でもまだ I&I のコースとしては、もうちょっと何かが物足りないな、とも思う。

カナディアンは秋の湖によく似合う
 どこをどう回ったら、見所がさらに魅力的になるんだろうか。この場所の楽しさを一番感じるには、どんな季節がいいだろう。そんなことを考えながら、パドルをさす。

近江八幡・水郷巡りの船とすれ違う

橋をくぐるのも楽しい
そんなこと、何も考えずに、ぼ〜っと、その水面をつるつる行きたい。一方に、そんな気持ちがあるのも事実。


木津川の下流エリアは、カヌー始めたての頃、そんな気持ちで漕いでいた。

24号線が見えたらゴール。そんなツーリングを何回かやってみると、段取りもよくなるし、漕ぐのも上手くなってくる。泉大橋が見えたのは、予定よりもかなり早く、まだ漕ぎたい気持ちのまま、橋の下を通り過ぎてしまった。


そのまま、どこに流れ着くともわからない、川の旅が始まった。街の中を流れる木津川も、水面に出てしまうと周囲には、遠くの鉄塔や土手の上に時折現れる自転車以外、何も見えない。この大きな大きな流れが、これがあくまで"旅"なのだと告げる。


そのときは、夕暮れまで漕いでも上陸ポイントが見つけられず、結局どこまで漕いだのかわからないまま、やっと見つけたポイントで、軽トラのおっちゃんを捕まえて、最寄りの駅まで送ってもらった。でもその駅がどこなのかも覚えていない。

上津屋流れ橋は、流れていた
笠置から漕ぎだして、近鉄鉄橋のポーテージをした覚えがないから、まぁ、そのへんだと思う。上 津屋流れ橋までは漕いでない。


やっぱり、この川もすごく好きな川だ。僕の中でもうすぐ繋がりそうな予感がする。全区間を漕ぐのはもちろん、何かしら、こう、川の気持ちがわかるような錯覚に、完全に陥るまで、あと少し。

I & I Paddles
** 神戸/大阪⇔カヤックトリップ **