2017年12月8日金曜日

奈良吉野川大滝ダム下区間

またまたコウノさんに誘っていただき、奈良県吉野川の大滝ダム下区間を漕いできた。

核心部。『垣ノ瀬』かな?

実は最近『ダムと民の五十年抗争〜紀ノ川源流村取材記』(浅野詠子著)という本を読んだばかり。紀ノ川上流部、すなわち奈良県吉野川で数十年もモメたダムと言えば、もちろん大滝ダムだ。


本の中では、ダム行政批判もさることながら、川や山との関係が変化していく住民の、葛藤の歴史が語られている。川と人の生活がどう繋がるのか、なんて考えさせられた。この話はまた機会を改めるとして、とにかく大滝ダムとの対峙だ。

大滝ダム直下のエグい瀬 "大滝"

スカウティングというか物見遊山というか
大滝ダムは、関西白激パドラーなら誰もがよく知っている。北山村への国道169号線、川上村へ入ってすぐ、左へ曲がるヘアピンカーブでスピードを緩める。前を見ないといけないが、眼の下にちらりと映るエグい瀬が気になる。気になるけれど、よく見えないし、あんなエグいの自分が漕ぐ機会はないんだろうな、と思いながら前方に目を戻すと、そこに現れるコンクリートの壁。それが大滝ダムだ。

カヌレンジャイ!

実際に漕いだのは、エグい瀬"大滝"の下流から。めちゃくちゃ渇水で、大滝の普段は見えないような岩まで見える。今回は水が少なすぎて漕げないので、訪れるかどうかわからない機会のためにスカウティング。




大滝周辺は、巨大なポットホールが岩盤を切り刻んだような、エグいゴルジュの様相。この景観だけでも価値がある。


大滝のすぐ下流で、川は大きく右に屈曲する。右岸には、これも白激漕者にはお馴染みの磨崖碑がある。土倉庄三郎を称える碑なのだが、彼がどんな人物かをここで書けるほどに詳しくはない。この記事が読みやすいかも。

Huffpost 『土倉庄三郎没後100年/「林業は国の 本」と唱えた山林王の事績』http://www.huffingtonpost.jp/shinrinbunka/industry-of-wood-tuchikura_b_17390362.html

高さ約30mの磨崖碑は、169号から見てもかなりの存在感だが、水面からはさらに巨大にそびえて見える。


いくつかの瀞場と、岩だらけのパチンコセクション、


落差のある瀬を抜け、
落ち葉が宙を舞う。写真ではわからへんなあ

核心部へ。


まずは入念にスカウティング。そして先陣を切らせてもらうことになった。緊張する。なんてたって怖いのだ。一番手はその緊張がさらに増す。


だからこそ、漕げたときの興奮は言葉にならない。ただ叫び声になる。

コウノさんが続く。


核心部では、交代でバックアップ体制をとる。自分が漕ぐ時にはレスキューのために待機してもらい、自分が漕いだら交代する。



漕ぐか漕がないかは自分の選択。漕がなければボートを担いで歩けばいい。周りが励ましたり囃し立てたりすることはあっても、漕がない選択をすることも大切な判断だ。

瀬の下流を見ると、見事なキャニオン。北山川の渓谷を凝縮したような雰囲気。



核心部からゴールまではあっという間だった。核心部の興奮が冷めないまま、どうだったああだった。次はどうだこうだ。やっぱりこの興奮感は、他の何にも変えられない。


ゴールポイントの少し下流で、支流の高見川が合流する。山間部を縫うように蛇行し、吉野神宮の麓で視界が大きく広がる。ここから【ナラヨシ・スーパーロング】が始まる。





今年は12月17日。参加者、挑戦者、お待ちしてますよ

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